063856 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

がんばにゃん!!!

白血病

★白血病★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

猫白血病が発症した場合に出てくる症状は3つあります。
 1.免疫不全症候群 
 2.骨髄性再生不良性貧血 
 3.血液癌~悪性リンパ腫、内臓など全身への転移癌の可能性

まずウイルスで免疫力が低下していって、1.の免疫不全症候群が発症します。
それと同時に、もしくは時間が経ってから2.と3.が出てくる可能性は非常に高いのです。

1.の段階であれば、エイズ発症と同じでこれは食事療法や環境の見直しや漢方で回復していく事も出来ます。
(免疫不全症の説明については、エイズの項を読んで下さい。)

1.の免疫不全症発症、そして進行と同時に、白血病ウイルスは次第に骨髄の造血細胞を破壊して貧血や白血球減少症を起します。
ウイルスはリンパ球に入り込んで、腫瘍化した変形リンパ球となります。そしてリンパ管を流れて、あちこちでリンパ腫や転移癌を発生させる場合もあります。
現在、貧血があるでしょうか?2.については獣医さんは何かコメントはあったでしょうか?

2.の「骨髄性再生不良性貧血」は、ウイルスが骨髄の造血細胞を破壊してしまうので、自分で血液を作れなくなってしまう病気です。
この症状が出てしまうと、残念ですが後はどれだけQOLを高めてあげるかという事になります。

3.のリンパ腫は、特に2~3才までの若い猫や老猫に多い癌です。
主に首の周囲のリンパが腫れたり、胸の心臓付近の胸腺器官にリンパ腫が出来ます。
胸腺に腫瘍が出来ると周囲に水が滲みだして「胸水」の原因となります。胸水がたまると肺が圧迫されて充分広がる事が出来ないために、呼吸が浅く早くなっていきます。口呼吸や腹式呼吸も始まります。
最終的に死亡原因のひとつとなる「胸腺型リンパ腫」という癌です。
白血病で胸水がたまっている場合は、この胸腺型リンパ腫と考えてほとんど間違いありません。
また胸水の原因はリンパ腫(癌)なので、癌が消滅しない限り胸水はたまり続けていきます。病院治療は、胸水を抜く、酸素マスクや酸素室入院で呼吸を楽にしてあげるくらいしか出来ないのです。

2.3.の症状さえなければ、希望はありますので頑張ってみて下さい!

追記:2.の症状が出ると血液が生産できないために病院では輸血を行ないます。
輸血の前にはステロイド注射が必ず打たれます。
ステロイド(免疫抑制剤)はこの場合、身体の免疫反応を抑制されるために使われます。
臓器移植で「拒否反応」を起こすという話を聞いた事がありませんか?他人の臓器はたとえ肉親の臓器であっても、自分の体内から見れば、侵入してくる細菌・ウイルスと同じ「侵入物」であり「異物」なのです。異物は攻撃して排除してしまわなければなりません。これも免疫反応のひとつです。
その免疫反応を弱めるためにステロイドを使います。臓器移植をした後は、その臓器を攻撃されないように、一生ステロイドを使って免疫を弱らせなければならなくなるのです。臓器ほどではないにしても、「輸血」もまた同様に拒否反応を起こします。輸血後は拒否(免疫)反応のために発熱や吐き気などの症状が起こってきます。猫もそうならないために、ステロイドを打って輸血をします。
白血病・エイズは「免疫不全症」ですから、輸血のために毎回ステロイドの注射を打つという事は、病気の進行・ウイルス増殖を抑えている免疫を弱らせて、ウイルスの活動を助けているということなんです。

また、造血ホルモン剤の注射をする事もあります。
幾つか種類がありますが、たいていは腎臓で生産されるエリスロポエチン(またはエポジン)というホルモンを人工的に作ったものが注射されます。慢性腎不全の後期で腎臓が壊れてこのホルモン生産が減少していき貧血を起こす老猫さん達に使われているホルモン剤です。
これも1回目は効果があります。が、2回目以降からは、同じように身体が「異物」と認識するようになって、体内で働かないようにするために「抗体」というものを作って抑え込みます。
老猫性慢性腎不全の飼い猫さん達の掲示板では、エリスロポエチンについては初回~数回目以降は効果が無くなるという意見がほとんどです。

*ステロイドについては、さらに詳しく後述します。

■白血病感染~陰転について■

白血病はエイズよりも感染しやすいウイルスです。というのも、エイズは血液感染のみですが、白血病ウイルスの場合は、血液以外に唾液・鼻水・目やになどの分泌液や排泄物にも含まれているからです。

垂直感染(胎児の時期に感染)は、白血病の場合はほとんどありません。というのも、死産になってしまう事が多いからです。
母子感染では、ママのグルーミングで感染してしまうのがほとんどです。
子猫はもともと免疫力が低いのでウイルス増殖を抑えきれず、1年以内に発症してしまい、助かるケースはほとんどありません。なので1歳未満の子の白血病発症は、かなり絶望的と言わざるをえません。
成猫の場合は感染して4ヶ月間くらいは、ウイルス検査をすると「擬陽性」反応が出ます。検査で反応の色が薄く出るのが特徴です。この期間に免疫がウイルスを完全に破壊してしまえば、「陰転」となって検査は「陰性」になります。
ただし、この4ヶ月の陰転期間中に1度でもステロイド(免疫抑制剤)を投与してしまうと、免疫細胞が弱ってしまうので、ウイルスに負けてしまいキャリアとなってしまいます。ステロイドを打たなくても自己免疫の弱い猫、特に老猫や病猫は陰転の可能性が低くなります。

陰転した場合でも、正常細胞にウイルスによる遺伝子変異が残されていたら、将来的にはリンパ腫や腫瘍を発症する確率が高いので、シニア以降は体調の変化に十分注意していく必要があります。

■ウイルス消毒■

エイズと白血病ウイルスは、レトロウイルス科に属し生命力は強くないタイプです。
乾燥した場所では数時間しか生きていられませんが、湿った場所では数日間くらいは生存しています。
白血病は接触感染する場合もあるので、多頭飼いの場合は隔離可能なら、その方が安全です。エイズは出血に注意ですが、身体の炎症からの微量な出血にウイルスが混じる場合もあります。

洗剤・石鹸・熱湯・漂白剤・次亜塩素酸・紫外線等で死滅するので、清潔で風通しのいい環境を心がけましょう。ペット用の除菌・抗菌スプレーは、主にカビなどの菌には有効ですが、ウイルスに有効なものはほとんどありませんから、説明書をよく読んでおき誤解しないようにして下さい。

(文責:Erie)



© Rakuten Group, Inc.
X